day36 61番~64番
今日は朝から憂鬱だ。雨も降りそう、かつ足が強烈にかゆいのである。当然それに加えいつもの足の痛みもある。
昨日からの蕁麻疹のような湿疹があまり治っていなくて、この状態で靴下を履いて蒸れることでさらに悪化するような気がして不安でいっぱいだ。でも前に進まなければいけない。
途中で病院に寄ればいいではないか。
とにかく歩き始めた。
今日は距離の関係から60番よりも先に61番~64番をまわることになっている。
まずは10㎞ほど離れた61番の香園寺を目指す。
歩き始めてすぐに足が痒い。
気にせず先に進もう。
今日は国道196号をひたすら進む。
足の新しい部位が痛い。
今回は足首だ。毎日、いろいろな問題が起きるようだ。構わず歩き続ける。
そんなこんなで西条市に入った。
海が見えてきた。
雨が降ってきた。
泣きっ面に蜂状態である。
辛い、辛すぎる。
かなり、テンションが下がっていた時に、ガソリンスタンドのおじさんが追いかけてきた。『これあまりもんやけどお接待やけん、休憩中にでも食べて!』と言って、俺にお菓子を握らせた。辛いときの人の優しさは本当にありがたい。すごい色の海老せんべいだけど、嬉しくて涙がでてしまった。
少し雨が止んできた。四国には見ず知らずの自分なんかを応援してくれる人が沢山いる。少しだけ力が湧いてきた。
ドローンで農薬を撒いている。すごい。
もう少し歩くと皮膚科があるはず。
皮膚科があった。
お遍路の格好で病院行くの少し恥ずかしい。
でもお遍路の格好のおかげでものすごく暖かみのある診察だった。医者に玄関口まで見送られたのは生まれて初めてだった。
とりあえず飲み薬と塗り薬を処方してもらった。痛みには耐えられても痒みには耐えられなかった。
病院と薬局で90分以上ロスしているので急ごう。
終日モーニングって普通のセットではないのか。そんなことを考えているとお店のお母さんが追いかけてきた。
『お接待です。どうぞ』と手作りの耳掻きと爪楊枝、缶のお茶をくれた。
今日は立て続けにお接待。俺は辛そうに歩いているのだろうか。そういえば、他に甘酒をくれた人もいたが甘酒が飲めないので断ってしまった。無理にでも飲むべきだったかもしれない。
人の好意をすべてしっかりと受けとめられるようになりたい。
後少しのはず。
61番の香園寺見えてきた。
先が長そう。
でかい。
これがお寺なのか。
聖堂のようだ。
とりあえず、階段を登る。
すごい!ホールみたいだ。
100人以上の信者がお務めできるように50年近く前に建てられたようだ。昔は大きな宿坊もあったとのこと。時代とともに移り変わるのはお寺も同じである。諸行無常である。
駐車場に62番の宝寿寺がある。
本当の62番は行かないほうがいいらしい。
なんでも、住職が暴言を吐くし、なにかとお金を巻き上げようとするらしい。警察沙汰にもなっているらしい。ここでお参りをして、目の前を通るだけにしよう。
前だけ通ってみる。
遠目から見るとこんな感じだ。
これだけじゃ、どんな問題があるのか分からないが、関わっても得はしなさそうなので、これで62番は終わりとしよう。
また国道をひたすら歩く。
63番の吉祥寺に到着。
象のオブジェがかわいい。
試してみよう。
入った。
後少しで最後のお寺だ。気合いを入れて歩こう。
64番の前神寺に到着。
雨が強くなっていく。
全体的に大きくて広い。
本堂も大きい。
ここから、1時間位で宿に着く予定だ。
雨あしがどんどん強くなっているので早歩きで進む。
宿に近づいてきたので、傘の水滴を落とそうと広げて閉じてを繰り返していると、壊れた。ビニール傘は脆い。
傘を買いに逆方向に戻る。
今度は頑丈そうな傘にした。
しかも65㎝。前回は60㎝だった。
宿に到着。新しい建物でものすごく綺麗。
なかもすごくキレイ。
部屋もキレイ。
宿のオーナーは肉屋さんらしい。
だから晩御飯は新鮮なお肉でいっぱい。
今日は病院に行ったり、お寺を4箇所まわったりと濃い1日だった。
薬を飲んで寝よう。明日には痒みが緩和されていることを祈ろう。