day27 43番
昨日の予報通り、朝から滝のような雨である。 降水量22㎜は半端じゃない。
宿の85歳の主人は『大雨ぐらいで、気にしていては歩き遍路できないよ』とこの程度の雨は大したことないと言いたかったのだろう。なおかつ、落盤で歩行禁止の遍路道まで進めてくる。
悔しかったが国道で行くことにした。
遍路道の前に行くとリアルに通行止めである。
ベテランのお遍路はこの看板を無視して行くのだろう。しかしながら俺は初めてのお遍路である。だから警告には従う。挑戦と無謀は似て非なるものだと思う。
滝のような雨が降るなかひたすら、国道の坂を登っていく。途中、土砂崩れの影響でガードレールが90度に曲がっていた。恐ろしい。
どしゃ降りの中、歩き続けた。早く峠を抜けたい一心で駈け足ぎみで歩き続けた。
道路は川のように水か流れていて、靴の中は水浸し、浅い川の中を歩いているようだった。
この国道は去年、土砂災害があり、現在、修復工事が行われているが、今日は日曜日のため、人っこひとり、車一台すら、会わなかった。どしゃ降りの雨の中、真っ暗な山の登り、下りを独りぼっちで2時間以上もくもくと歩き続けた。
落石注意の看板がここまで気になったのは初めてだ。実際、数ヵ所で落石があった。岩レベルの落石である。手前数メートルの道の上から転がり落ちてくる感じだ。落石した場所はひたすら走った。一目散に駆け出した。
後で撮影しとけばよかったと思ったが怖くて、そんな余裕はなかった。
土砂崩れがあった崖は鉄の壁で補強されている。
そしてトンネルへ。車一台分のトンネル。狭い、車が来たら、ものすごく怖い。誰もいないのも不気味で怖い。トンネルはかなり暗かった。
やっと先が見えてきた。
休憩所もある。しかし、どしゃ降りで中まで雨が入ってくるため、飲み物を飲んで終了だ。
やっと西予市へ。
さようなら、宇和島市。
道路の川がすごいことに。
遍路道はこんな状態だ。
国道にして本当よかった。
ここも遍路道のようだ。
本当に通れるのだろうか。
やっと下りだ。歯長峠も終了だ。
安堵で胸が一杯だ。雷、落石、土砂災害など本当に生きた心地がしない峠道だった。
峠道を下ったところに休憩所があった。
雨が入ってきてないようなので、しばらくここで雨から避難しよう。
カッパを脱いだら、汗でびしょ濡れだったので服も靴下も着替えてのんびり、足を乾かしていた。たまに風が強くなると雨が入ってくるが堪えられないレベルではなかった。
雨が弱まるどころか強まっていくいっぽうだったので2時間近く、ここにいた。
2時間休むと、ふやけた足も乾いてきて、雨あしも少し弱まってきたので出発することにした。峠は越えたので後は街中を歩くだけ、目指すは43番の明石寺だ。
歩き始めると雨が強くなってきた。
でも、たくさん休んだので前に進むしかない。
用水路も増水してすごいことに。
どしゃ降りの中歩いていると、おじいちゃんに物凄くビックリされて、物凄く褒められた。
今日に限っては俺も自分で自分を褒めてあげたい。
休憩所があるが、あの東屋では雨風はしのげないだろう。
道中の安全見守ってください。
明石寺までもう一息
たまには遍路道
43番の明石寺に到着。
坂はどこも川になっている。
近くで見るとこんな状態だ。
階段は更に川
上がるしかない
見方によっては美しい。
達成感が尋常ではない。
無事にここまで来れたことに感謝
帰りは物凄い霧が。
何も見えん。
次は宿を目指して歩き続ける。
とはいっても1時間くらいである。
中の光景を見て羨ましくなる。
俺はどしゃ降りの中何をしているのだろう。
今日の宿、宇和パークまで後少し。
ホテルなので清潔なはずだ。昨日の宿は衛生状態が悪く辛く苦しい夜を過ごしたので、ものすごく楽しみだ。変な虫もカビもホコリも髪の毛もゴミも落ちていない部屋。異臭と程遠いホテルの清潔な部屋に期待を膨らませ、歩き続ける。
見えてきた。少しメルヘン。
ビシネスホテルっぽい。
まわりにいろいろお店もある。
古いけれど、掃除がしっかりとされていて清潔な感じだ。嬉しい、めちゃくちゃ嬉しい。
チェックインの時間より1時間も早く、部屋を準備してくれた。
すごく、嬉しい。今日は大雨だったため、15㎞位しか歩いていないから、宿にはかなり早く着いているのに、対応してくれた宿の人に感謝。
床もピカピカ
古いが部屋も綺麗。しっかり掃除がされている。すごい!っていうかあたりまえなのでは。
民宿続きで、かなり、麻痺しているのだろう。
今日は新鮮なシーツで安眠だ。ダニもいないはず。
風呂も広い。少し泳げるかも。
洗面所もキレイ。
晩御飯
今日はお昼抜きだったから腹ペコだ。
いただきます!
最近、雨でリュックやカッパが生乾き、悪臭を放っていそうなのでファブリーズどドライヤーで臭い対策を行った。明日には良い香りのはず。スカイブリーズの香りで明日も頑張ろう。